映画『ひらいてつぼんで』とは

■タイトル:「ひらいてつぼんで」(英題: the thread of red Cocoons)
尺:19分41秒
京都花脊の「松上げ」を背景に、彼岸と此岸を結ぶ美しい「手」を描いた短編フィルムです。

映画ワンシーン

■クレジット:
(キャスト)
少女A:山元里菜(ヤマモト・リナ)
少女B:黒島衣麗(クロシマ・イヨリ)
男性A:藤林遼太郎(フジバヤシ・リョウタロウ)
男性B:岩田徳承(イワタ・トクヨシ)
女性A:朔屋兎乃(サクヤ・ウノ)
エキストラ:奈良県立葛城市立白鳳中学校の皆さん
挿入歌:「ひらいたひらいた」作詞作曲_わらべ歌 声_斉藤愛莉
   :「美しき天然」田中穂積作曲
三弦音・小筆:朔屋兎乃

(スタッフ)
撮影:佐田直樹(サダ・ナオキ)
照明:山本智章(ヤマモト・トモアキ)
録音:飯塚大(イイヅカ・ダイ)
車両:吉久輝(ヨシヒサ・ヒカル)
車両:水野慎也(ミズノ・シンヤ)
助監督:橋本礼(ハシモト・レイ)

製作:北川晋司(キタガワ・シンジ)

脚本・編集・監督:小田香(オダ・カオリ)

協力:ビジュアルアーツ大阪専門学校
感謝:
としおかたかお
奈良交通葛城営業所の皆さん
奈良県立葛城市立白鳳中学校の先生方・生徒さん達

映画ワンシーン

■シノプシス:
 少女があやとりをしながらバスを待っている。到着したバスは少女を乗せて出発しようとするが、もうひとり少女が乗り合わせる。少女2人を乗せたバスは停車するたびに一人、また一人と乗客を迎え終着点に辿り着く。そこでは多くの男達が天に向かって玉入れのように火の玉を投げている。火の玉は男達が囲む大きな松明を着火させ燃え上がらせてゆく。炎が爛々と夜に溶けるとき、乗客達は懐かしい歌に導かれ終点の先へ移動する。あやとりの糸が、少女からもうひとりの少女へ手渡される。
 翌朝、糸を受け取った少女が教室で級友達とあやとりをしている。糸は指の中で形を変えながら無限に流れる。

映画ワンシーン

■監督コメント:
「死者を送る」映画を言葉に頼らずに撮りたい、というところからこの短編制作を考え始めました。なぜ死者なのか、それは3.11から幾分かの時間が過ぎて、やっと今ひとりのフィルムメーカーとして刮目したいと思うテーマが「死者を弔うこと」だと思い至ったからです。今生きている被災した人々と被災した土地に、ひとりの人間としてコミットするためにも、「送られる者」と「送る者」、そしてその根にある死者と生者の間の流動的な関係を映画という形で表現してみたいと思いました。
 なぜ極力言葉から離れて表現したいのか。やはりそれも3.11の影響を多大に受けて思い至ったことです。たくさんの言葉が氾濫しました。たくさんの言葉が損なわれているように感じました。ひとつの言葉がもちえる定義の豊かさと懐の深い優しさが、その言葉の一面を唯一の定義だと理解する人間によって傷つけられ、不貞腐れているように見えました。私は言葉が好きです。言葉を癒し、休ませたかった。「沈黙」と「行為(身振り)」による表現で。言葉と距離をもつことで、再び一緒に遊んでもらえるように願いました。

■監督フィルモグラフィー:
「Evocation2006-2010」/ ガラスペイントアニメーション/ 2010/ 5min.
「ノイズが言うには」/ DV/ 2010/ 38min.
「徘徊る」/ HDV/ 2011/ 20min.

■監督プロフィール:
小田香。
ホリンズ大学映画学科にて制作を始める。
2013年からサラエボ科学技術大学film.factoryにて制作に従事。
監督近影

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